吉原神社を訪れたのは、鷲神社と長国寺で酉の市が開かれていた日。向かう道にはずらりと並んだ屋台。美味しそうな香ばしい匂いがプーンと漂ってきて、寄り道の誘惑にかられつつも、今にも降り出しそうな空、気温もグンと下がってきていたので、先ずはお参りすることに…。
吉原遊郭の守護神、吉原神社
遊郭のあった場所として知られる吉原。江戸時代、日本橋葺屋町辺りに集められた遊女屋、その地に葦(よし)が茂っていたことから、葦原と名付けられたそう。その後、江戸の町が大きくなるにつれ、吉原も市中にある形になってしまい、現在地にあたる千束村へ移転することに。
かつての吉原には、郭の入口に1つ、四隅に4つ、5つの稲荷社が遊郭を守るようにあったそう。明治5年に5つの稲荷社を合祀し、吉原神社が創建されました。もとは入口の大門(おおもん)手前にお祀りされていましたが、関東大震災で消失、昭和9年に現在の地に新社殿を造営し、弁財天も合祀されました。

吉原遊郭の史跡が残る吉原弁財天
吉原神社から徒歩2、3分のところに吉原弁財天本宮が鎮座しています。こちらの弁財天は浅草名所七福神の弁天様です。境内には吉原遊郭の史跡が残されています。
境内へ入ってすぐ、小高い丘にお祀りされている観音様は、関東大震災の殉難者を慰霊するために建立されたそう。当時この辺りには池があり、その畔には弁天祠が建てられていました。関東大震災で逃げ場を失った遊女がこの池に身を投じ、490人もの命が失われた悲劇の舞台でもあるためです。また境内には、戦災無縁塔やお地蔵様が置かれ、遊郭の悲しい歴史に触れることができます。

そして境内の奥には、一際目立つペイントがほどこされた弁天祠が鎮座しています。2012年に地元の有志の方々により改修され、壁一面には蓮の花に囲まれた弁天様のカラフルなイラストも。こちらは芸大生が描いたものだそう。新たな弁天祠はどことなく妖艶さが感じられて、きっと遊女たちも喜んでいるかもしれませんね。
吉原神社・吉原弁財天の御朱印
御朱印は吉原神社の社務所で、神社と弁財天の両方をいただくことができます。哀しくも美しい蛇の絵柄が印象的な弁財天の御朱印です。

吉原神社 よしわらじんじゃ
御祭神:倉稲魂命(うがのみたまのみこと)・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
例祭:5月第三金曜・土曜・日曜
初穂料: 各¥500
東京都台東区千束3-20-2
東京メトロ日比谷線 入谷駅・三ノ輪駅 徒歩約15分
吉原神社
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